獣医さんの一般企業への就活を応援するブログ -獣医学生の一般企業への就活体験談-

現在外資系の製薬会社で医薬品の臨床開発を担当する30代男性です。私立の獣医学科卒の私が医薬品、製薬(人用です)関連の一般企業への就職活動、その後の実務、転職、希望の職種に就く中で学んだことや、感じたこと、後輩に伝えたいことについて、失敗談を交えて思いついたままに書いていければと思います。

外資系企業で英語力は必須か?

ずいぶん久しぶりな更新になってしまいました。

さて、製薬会社も内資・外資を問わずGlobal化が進んでいます。(某大手内資系製薬企業の社長さんも外国人になっちゃいましたね)

この流れは日本国外の医薬品市場の大きさを考えれば各製薬企業のGlobal化は必然ですが、そんな中で「外資系企業で英語力は必須ですか?」という質問を、学生や社会人で転職を考えている方から相談を受けるたびに聞かれます。あんまり獣医には関係ないのですが、頻繁に聞かれる質問なので、今回はこのテーマについて書いてみようと思います。

 

 英語力「だけ」じゃ意味がない

結論から書きます。英語力は必須ですが、英語力「だけ」では役に立ちません。

大切なのは中身です。英語で「何を話すか」であって、英語を「上手に話せること」は必ずしも求められません。就活や転職活動の場で英語力をアピールしたいなら、英語力を今までどのように活かしてきたか(もしくは、英語で何をしたいか)にフォーカスしてアピールするべきです。

その理由を以下にまとめてみます。

 

外国人はへたくそな英語でもしっかりと耳を傾けてくれる

私は過去に米国の本社で数か月働く機会を得ましたが、驚いたのは米国本社で働く方の人種や国籍の多様さです。日本よりもよっぽどD&Iの考え方が浸透していて、様々な考え方や外見を受け入れる文化がしっかりと根付いています。

(一部報道でまだまだ人種差別による悲しい事件が絶えない現状も目にしますが、少なくとも私が働く会社の本社ではそんなことは一切ありませんでした。)

そんな環境ですので、いろんなイントネーションの英語を話す方がいらっしゃいますし、多様な英語を受け入れてくれます。また、話す側も、ヨーロッパ系の独特な訛りやアジア系の抑揚のない英語を話す方も、このような文化の中で、自信をもって英語を話しています。私のへたくそな英語にもしっかりと「うんうん」と耳を傾けてくれました。

一方、英語のうまい下手に関わらず、明らかに的外れな意見や要領を得ない説明は容赦なくツッコミが入ります。中身のロジックが問われます。

英語の発音やイントネーションのうまい/下手ではなく、中身が大切です。

 

外資でも日本で働く限りは業務の7-9割くらいを日本語で行う

私の経験則になりますが、外資で働いていても、結局のところ、日本の中で働く限りは同僚の9割が日本人/日本語Nativeですし、業務のほとんどを日本語で行います。

 

また、私がこれまで見てきた出世した人たちも、英語が本当にうまい方はごく一部だけでした。多くの方はThe カタカナイングリッシュですが、複雑な内容をシンプルにまとめる考え方であったり、的を絞った議論を進めて結論に導くのが非常にうまい方々でした。

 

英語関連の資格は役に立つ?

ここまで、英語で「何を話すか」が大切なのであって、英語のうまい下手は2の次だと書きました。

となると、履歴書などによく登場するTOEICなどの英語関連資格は役に立つのでしょうか?

私の答えとしては、全く役に立たないこともないと思いますが、英語での業務実績を伴わない資格はインパクトが強くありません。

第3者による公正な評価の下で得た資格ですので英語力の証明としてある程度役に立つかもしれません。(どうせならSpeaking/Writing技能の評価を伴った資格の方がよいですね。)

どうしてもアピールしたいのであれば、上記の通りその英語力をどのように活かしたいか、また、もし英語での実務経験がなければその資格を取るための努力や工夫、入社後にどのように活かしたいかにフォーカスしたほうがいいです。

以前も記載した通り、「どや、TOEIC900すごいやろ」とアピールしたところでただの自慢話でしかありません。「ただのテストで点が取れるだけの人」とみられるかもしれませんし、前述の通り「英語ができるだけで中身がすっからかん」では実務で役立たずです。

 

これから就職活動で英語力をアピールしてみようと考えている方、上記の通り、英語力については中身(英語で何ができるか)が重要です。アピールの仕方をよく考えてみてください。

成功体験① -獣医学はキャリアに活かされた!勉強は裏切らない!-

こんにちは、kendzillaです。

このブログでは失敗談を中心に、そこから学んだことや、これから一般企業への就活を考えている獣医学生に伝えたいことを書いています。

、、が、もちろん、成功体験もあります。

今回は成功体験について書いてみようと思います。

今回私がここで伝えたいのは、少なくとも私が携わる医薬品の臨床開発において、獣医師「免許」は活きませんが、習得した獣医「学」はめちゃめちゃ活きています。もっと言うと、勉強の過程で確立した勉強方法は「一生モノ」で、勉強は裏切らないと感じているところです。

 

決して志望していた会社ではなかったが、成果を評価してくれる人はいた

 

これまでも記載してきたように、就活での失敗から、新卒では臨んだ職種に就けず、たまたま受けていたCRO*に入社し、臨床開発モニター**としてキャリアをスタートすることになりますが、CROでの臨床開発モニターは私に全く向いていませんでした。。。

私にとっては心から楽しめる仕事でもありませんでしたので、腐った時期もありました。そこで、新卒1年目の後半くらいには転職を意識し始めるのですが、転職コンサルタントに気付かされたのは、

「今の仕事が好きだろうが嫌いだろうが、結果を出さないと希望の転職先など見つからない」 ということでした。

臨床開発モニターとしての仕事が好きになれなかった私ですが、この気付きをきっかけに、「まずは、仕事全部が好きでなくても、好きな部分や得意なことを見つける」という目標を掲げました。

そんな中、モニタリングの仕事そのものは全く楽しめなかった(モニターとして致命的笑)のですが、医療機関での先生方とのディスカッションや、その準備のための学術論文の読み込み、学会等での薬剤の開発戦略の最適化の検討は、自分にとって非常に楽しく、また、その能力は周りから評価されるようになりました。

さらに、その過程では大学で学んだ獣医「学」が超役に立ちましたし、勉強方法やそのアプローチは大学時代と基本的に変わっていませんでした。やはり、学んだことは活きていました。ちなみに、今の職種・職場でも同様に活きています。本当に勉強は一生モノだと感じています。

結果的に、これらのことは出向先の製薬会社の方々に評価していただき、他の方より広い仕事の選択肢をいただくことができました。さらに、転職時の面接でも高く評価していただき、望んでいたキャリアに近づけることができました。

新卒で入社した会社及びそこでの仕事は心から楽しめるものではありませんでした。それでも、自分の知識を活かして結果を出すことで、評価してくれる人は社内にも社外にもいました。結果的に、自分のキャリアを希望の路線に近づけることができました。

 

*CRO:医薬品の研究開発業務の一部を受託する会社

**臨床開発モニター(CRA):治験が適切に行われていることをモニタリングし、症例のデータ収集や進捗管理を行う

CRO業界ではモニタリング業務の受託をメインにした企業が多く、私が入社したCROも社員の8割近くがモニターでした。

(もちろん、データマネージメントやファーマコビジランス等の他の業務の受託に強みを持つCROもたくさんあります)

就活失敗の原因 -獣医は特別扱いされない-

こんにちは、kendzillaです。

以前のブログでも触れた通り、私が就活した際の失敗の原因の一つは、「獣医だから」という理由だけで採用してくれる企業があるだろうという、根拠のない過信でした。

今になって改めて振り返ると、この過信は以下に記載する2つの点で就活失敗につながっていたようにように思います。

今回はこの点について少し深く掘り下げつつ振り返ってみようと思いますが、一般企業への就職を目指す獣医学生さんへの私からのメッセージは

「獣医だからといって特別扱いはない!」です。

 

獣医は就活で特別扱いされない!?

 

獣医(正確には獣医師免許取得見込みの学生)は一般企業への就活で優遇されるのでしょうか?

私の答えは「Yesの場合もあるけど限定的」です。

獣医が優遇される事例として、以下のケースを知っています。

獣医が優遇される事例①:安全性・毒性研究関連のCRO

 

CROというのは、主に製薬会社等から医薬品研究・開発に関する一部業務を受託する企業のことです。

安全性・毒性研究の受託に特化した形のCROもあり、そのようなCROでは業務の特性から一定数の獣医師の雇用が必要で、積極的に募集しています。また、獣医師手当という形で毎月数千円の給与上乗せがある企業もあります。

ただし、このような企業は特定の業務に特化した形態であるため、職種も限られます。従って、キャリアパスの選択肢も限定的である側面があるという印象を受けます。

獣医が優遇される事例②:製薬会社等の安全性研究所

 

業務内容としては上記の安全性・毒性研究関連のCROと程度は違えど同様かと思います。また、毎年1-数名の獣医さんを採用している印象を受けます。

CROと記載を分けた理由の一つは、倍率です。

特に名の通った製薬会社の研究職となると、ネームバリューも加わり、志願する獣医学生の数も増えます。私も製薬会社の研究所に応募しましたが、選考が進むにつれ、必ずと言っていいほど国立大の獣医さんと比較されました。(で、負けました。。。涙)

加えて、現在はほとんどの外資系製薬会社の研究所が日本から撤退したので、製薬会社で研究職に就こうと思うと、内資系企業に絞られます。その限られた企業の研究所の特定の研究部門に研究職志望の全国の獣医学生さんが応募するわけです。

さらに、給与水準も高く、製薬会社の業務の幅は広いので、研究-開発-その他部門間での人材交流があり、キャリアパスの選択肢が多いです。従って、人気です。

つまり、製薬会社の研究職でも獣医師の積極採用は行っているようですが、非常に狭き門です。

 

話を戻します。

獣医が優遇される事例を上に2つ記載しましたが(厳密には安全性・毒性研究関連という意味では1つですね)、それ以外の職種では獣医師だからという理由で優遇される事例は知る限り思い当たりません。

そんなことも知らない就活時の私は、ただ何となく「オレ獣医だし、どっかの製薬会社が採用してくれるでしょ」と根拠のない自信を持った私の心の中は各社の採用担当に見透かされ、次々と落とされました。

ちなみに、やはり採用担当の方は採用のプロです。面接時の質問に次ぐ質問の中で本音を引き出されます。私の浅はかな考えもその過程の中で露呈しました。

獣医であるということだけでは特別扱いされませんので、しっかりと自分が獣医学科で学んだことや、これまでの人生での経験をどう活かすかをしっかりと考えてください。(後述)

まとめると、一般企業への就活で獣医が優遇されることはありますが、限られた職種かつ狭き門です。多くの場合、「獣医だから」という理由だけでは特別扱いされません。

どこか上から目線だったエントリーシート

 

もう一つ、上から目線で自慢を並べたイタいエントリーシート(以下「ES」)も失敗の要因だったと思います。

当時、獣医学生であると同時に、留学を経て習得した語学力(TOEIC900オーバー)を誇りに思っていました。ESにも、語学力関連の自慢話を展開したESを各社にばらまいていました。

今になって、新卒採用の選考にも加わる中で気づいたのですが、結果だけ自慢されても困るのですよね。知りたいのは、その結果をどのように達成して、その経験や得た能力を以て会社で何をしたいのかが伝わってこないのですよね。

私の場合、在学期間中に留学資金をアルバイトで調達した努力や、留学終了後も自己学習で英語力を向上させた学習欲をアピールするべきだったところを、TOEICのスコア(結果)だけをアピールしていました。

会社が欲しがっているのは獣医師免許という資格ではなく、その資格取得の過程で得た能力・知識やそれを活かしてチャレンジしたいことに対するビジョンです。そしてそれが企業の需要とマッチしていなければいけません。

上から目線で資格を自慢しても、それはただの押し売りです。超売り手市場でしか通用しません。

 

まとめ

 

獣医を積極採用している企業はありますが、一部の業種/職種に限定されることと、大手製薬会社などの人気企業では獣医学生間での競争になりますので、倍率は高いです。

また、その他の多くの職種、例えば同じ製薬での臨床開発やメディカルアフェアーズなどでは獣医であることで、採用において優遇されるかというと、そうではありません。従って、繰り返しになりますが、「獣医だから」という理由だけでは特別扱いされないと考えた方がいいと思います。

自分が達成した結果や成果だけを自慢するのではなく、しっかりと自分が獣医学科で学んだことや、これまでの人生経験をどう活かすかをしっかりと考えてください。

コラム:6年制の意外な落とし穴

私が就活していた頃はまだ薬学も4年制で、6年制の学科は珍しいものでした。そのためか、「6年制学部卒」というカテゴリを想定していないようにも受け取れる企業も複数あり、「学卒=4年制学部卒」と解釈され苦労した経験があります。

ここではそんな6年制関連で苦労したエピソードを2つ紹介したいと思います。

 

学卒登録で研究開発の募集が届かなくなる!?

私の就活当時、新卒採用のページのプロフィール登録画面で学部卒か院卒(見込み)しか選べない企業が複数ありました。実際、私が某大手内資系製薬会社のエントリーサイトに登録した際も、サイトの指示に従って入力を進めた結果、学卒として登録されてしまいました。6年制の学部卒ですので、決して間違ってはいないのですが、結果的にMR採用の案内しか来なくなってしまいました。気づいた頃には時すでに遅し。研究開発職の募集は終了していました…。

このような場合には院卒相当として、院卒で登録されているかよくよく確認しておきましょう。

 

危うく4年制の学卒待遇で採用!?

 

もう一つ、結果的に入社することになった会社の最終面接での出来事です。

他社の選考状況を聞かれることはよくあるのですが*、同様にこの会社でも聞かれて、「〇〇製薬の研究職と××製薬の開発職が最終選考の結果待ちです」と正直に答えました。

すると、面接官から、「あれ、君、学卒なのにメーカーの研究開発職に応募できたの?」と質問されたのです。

6年制なので院卒扱いであることを説明し、理解していただけたのですが、ここで、自分が4年制の学卒と認識されている状況を理解しました。

念のため、「御社に入社できたら、給与待遇は院卒と同じですよね?」と確認したところ、担当人事は即答できず、持ち帰りとなりました。。。

後日、電話でフォローがあり、問題なく院卒扱いの待遇となる旨の連絡がありましたが、面接時に何も言わなければ学卒待遇で入社になっていたかもしれません。。。(学卒と院卒では月あたり数万円の差が出る会社がほとんどです)

これも思わぬ落とし穴でした。

 

*他社の選考状況については隠す必要はないと考えています。特に他社で内々定や最終選考に進んでいることは、他社も自分のことを評価しているという客観的な情報であり、ポジティブな情報になり得ます。

 

獣医学生の就活の始め方 -そもそも一般企業への就活はいつ何をすればいいの??-

こんにちはkendzillaです。

今回は獣医学生が一般企業への就活を検討する際、そもそも何をすればいいの?という点について記載してみようと思います。

 

大事なポイントの結論だけ先に書いておくと、私からのメッセージは「5年生の春には少しずつ意識してインターンシップや情報収集を意識した活動を始めよう」です。

 

 

改めて認識しておくべき獣医学科の特徴:6年制教育

 

ご存知の通り、獣医学科は6年制の教育です。薬学等と異なり4年生で卒業することはできません。この6年制の教育により、他学科の学生と、就活において以下のような違いが条件の違いが生じます。

4年制の学部卒業のタイミングで就活ができない

 

他学科の多くは、就職と大学院進学の選択肢を並行して検討することが可能ですが、獣医学科ではこれができません。

考え方によっては、4年生学部では学部卒業のタイミングで一度就活を「練習」しておくことができます。「練習」が思った以上にうまくいってしまった学生が進路を大学院進学から就職に切り替えるケースもあります。逆に、リーマンショックの影響で日本の新卒求人が減った年には、理系学生が進路を大学院進学に切り替えるような事例も報道されていました。しかし、獣医学科ではこれができません。

このように、4年生学部と就活の経験値を積む機会と、選択の機会という観点で違いが出ることは、ライバルを知るという意味で知っておいた方がよいでしょう。

少しでも興味があれば「就活」してみよう

 

先に触れた通り、獣医学科では就活の機会が少なく、就活を意識する機会も少ないように思います。また、多くの獣医師は一度臨床獣医師になると生涯臨床獣医師としてのキャリアを積むことが多いようです(動物用医薬品関連企業ではこの限りではないかもしれませんが)。したがって、一般企業でのキャリア構築は、場合によっては大学卒業のタイミングしかないかもしれません。少なくとも、臨床獣医師中途採用で人薬の製薬会社に入社したという話はあまり聞いたことがありません。

このように、一生に一度の機会になるかもしれませんので、少しでも興味があればチャレンジしてみることをお勧めします。(獣医学生にとっては「外の世界」と感じるかもしれません。「外の世界」も新鮮で楽しいですよ!)

4-5年生になったら就活を意識してみよう

 

では、「いつ始めるのか」という疑問です。あくまで個人的な意見ですが、4-5年生になったら意識するとよいのではないかと思います。

ベストな時期というものは特定しにくいのですが、遅くとも5年生の春までにという意味で上記のような記載をしています。また、5年生を対象にインターンシップを開催する企業もありますので、このチャンスはぜひ活用してほしいですね。(今年はコロナの影響でどのような状況であるかは存じ上げません)

また、これまで述べたように、特に私立の獣医学科では一般企業への就職を検討する人は少ないので、情報収集にも時間がかかります。しっかりと時間をかけて情報収集や知り合いを通じてOB/OGの紹介してもらえる機会があるといいですね。また、大学の枠を超えた人脈を構築して情報交換に役立てられたらいいですね。

研究室選びは就活に影響するのか?

 

特に研究職で、特定の研究室と企業の間でコネクションがあるという噂を聞いたことはありますが、真相は定かではありません。

学生として研究活動に打ち込むのもこれが最後の機会かもしれませんし、その活動結果も就職活動の中で評価されます。就活を目的にせず、純粋に自分の希望に沿った/楽しいと思える研究室選びをお勧めします。

 

 

以上、「一般企業への就活には興味があるけど、結局、いつ何をすればいいの?」という疑問に少しでもお答えできていれば幸いです。

はじめに -獣医さんの就活のきっかけ-

こんにちは、kendzillaです。

当ブログを訪問いただきありがとうございます。

こちらでは、私が獣医学科(私立)を卒業する前に一般企業への就職活動をすることとなったきかっけ、その中で学んだこと(主に苦労したこと)、就職してから気づいたこと、転職を通じて学んだことなどなど、記憶が薄れないうちに文字に起こしておこうと思います。

後輩の方をはじめ、これから一般企業への就職をお考えの方のお役に立てれば幸いです。

今回、まずは簡単な自己紹介とこのブログをはじめようと思ったきっかけを記載してみようと思います。

 

 

自己紹介

 

30代の男性で、私立大学の獣医学科を卒業後、臨床には進まず、製薬系の一般企業に就職、転職を経て現在は外資系の製薬会社で医薬品の開発のお仕事をしています。

獣医になろうと思ったきっかけは非常に単純で、漫画の「動物のお医者さん」(若い方はもうご存知でないかもしれませんね笑)を読んで、「獣医ってかっこいい!!」となんとなーく思ったからです。

憧れの獣医学科に入学できたが、自分に獣医さんになる適性がなかった

 

大学受験も何とか成功し、私立大学の獣医学科に入学することができました。

、、、が、大学生活6年間の中で以下に記載する2つの大きな気づきがきっかけとなり、臨床には進まず、一般企業に就職することになります。

1つは、獣医学は広い意味での自然科学の一部でしかなく、臨床獣医師になるだけが進路でなく、自分の可能性をもっともっと広く考えていいんだいうことでした。これに気付けたとき、視野が一気に広がった気がしました。

2つ目は、他人のペットのためにそこまで頑張れない自分がいたことです。実家で買っていた猫はかわいがっていたのですが、他の方のペットに対して(もしくはそのオーナーさんのために)、自分の知識と専門性を活かして貢献しようというモチベーションはあまり高くなかったのですよね、、、、

一方で、在学中に所属していた研究室での研究活動は非常に楽しく、「これなら仕事にできたら楽しいかも??」と思い、周りの同期の90%くらいが臨床の獣医師や、資格を活かした公務員等の進路に進む中、一般企業への就職を考えるようになりました。

就職活動中の面接や、今でも「私、実は獣医なんです」なんて話をすると、「なんで獣医さんにならないの?」という質問を受けることが多くありましたが、私からすると、「なんで獣医学科にいる/いたからといって、獣医さんになるのが普通なのか?」という感覚でした。

 

このブログをはじめようと思ったきっかけ

 

獣医学科(特に私立大学)に通っていると、前述の通り、印象値ですが90%以上の人が臨床や公務員(農水省や地方の公務員)になる方が非常に多く、残りは大学院に進む人や医師になるために大学に再入学する人などがいて、次いで私のように一般企業に進む人といった具合です。ちなみに、私の知る限り、私の代で製薬企業に就職したのは私だけでした。

情報不足で苦戦した就職活動

 

ご存知の方も多いとは思いますが、就職活動では「情報」が非常に重要な面もあり、同期や先輩から情報がもらえず一人で就活するのは非常に大変です。実際、私もこの点で非常に苦労しました。就職指導課に行っても紹介してくれるOBもおらず、手探り状態でした。また、就職活動を意識したのは5年生の後半だったこともあり、インターンシップの存在も全く知らず、機会を全て逃しました。

加えて、もともと(特に大手の)製薬会社の研究職が狭き門である状況に加え、リーマンショックの影響を受けて新卒の募集をしない企業もあり、大変な苦労をすることになります。

そんな中、研究職を志望していた私は、このような状況など気にせず、無邪気かつ超楽観的に日本の大手製薬会社10社のみに履歴書を提出しするという無謀なことをしました。(当時、外資系メーカーの研究所はすでに日本から撤退していて、募集がなかった)

獣医だからといって特別な扱いは受けなかった

 

上記のように、今となっては無謀とも思える就活を進めた背景に、「私は獣医(になる見込み)だし、その専門性を買ってどこかの製薬会社が内定をくれるだろう」という根拠のない自信がありました。結果、根拠のない自信から、エントリーシートの作りこみも甘かったと思います。

結果として、ご想像の通り「獣医だから」という理由だけで評価されるはずもなく、ほとんどの企業で書類すら通らず、面接にもたどり着けないという事態に陥ります。(詳細は後々書いていこうと思います)

今思えば、企業規模や職種を広げて応募しておけば希望に近い職種での内定がもらえたのではないかと思うのですが、後の祭りです。

 結果的に、内資系CRO(医薬品開発業務の業務受託会社)から内定をいただくことができ、その会社に入社することになりますが、期待していたような実務に就くことはできず、また、医薬品メーカーとの待遇の差に愕然とし、以後数年間苦しみます。

失敗を重ねた就職活動だったが、転職を通じて軌道修正もできた

 

期待通りにいかなかった就職活動とその後の社会人生活ですが、数年かけて軌道修正できたことも事実です。新卒で入社した会社に3年務めた後、縁あって、現在の大手外資系医薬品メーカーに転職し、現在は希望に沿った仕事を任せてもらえています。

これは、社会に出てから、獣医師としてのプライドを捨て、周りの人と愚直に切磋琢磨しあった結果だと思っています。辛い思いをたくさん味わった就職活動とその後の社会人生活でしたが、地道に努力して実績を積んでいくことで周囲から評価され、その後のキャリアを軌道修正していくことができたことも事実です。この辺りも、追々ブログで記載できればと思っています。

 

上記の通り、特に私立の獣医学科に通った私にとって、情報不足と自分の実力の過信が原因で就職活動に苦しみましたが、学びも多く、こんな私の経験が誰かの役に立てばと思い、書いています。

このブログでは、当時の就職活動から学んだことや、今になって分かったこと、気付いたことなど、獣医師の先輩として(?)ざっくばらんに記載できればと思います。